宮城県の高次脳機能障害支援拠点病院である東北医科薬科大学病院で過去 6 年半の期間に, 精神障害者保健福祉手帳申請のために高次脳機能障害診断基準に従って診断した 71 名の高次脳機能障害症例について検討した (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部ら 2008) 。基礎疾患発症から高次脳機能障害の診断に至るまでに 2 年以上を要した症例は全体の 2 割を占め, 高次脳機能障害支援普及事業が開始された 2006 年よりも以前に基礎疾患を発症した症例が有意に多かった (p=0.0015) 。また頭部外傷, くも膜下出血, 脳出血を基礎疾患とし急性期治療を県外で受けた症例が比較的高頻度であった。