文章基本信息
- 标题:ミズナの貯蔵中における生菌数の変化および細菌叢の変遷
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- 作者:清水 真紀 ; 石田 万里子 ; 京井 大輔 等
- 期刊名称:日本食品微生物学会雑誌
- 印刷版ISSN:1340-8267
- 电子版ISSN:1882-5982
- 出版年度:2021
- 卷号:38
- 期号:1
- 页码:13-17
- DOI:10.5803/jsfm.38.13
- 出版社:Japanese Society of Food Microbiology
- 摘要:ミズナ (水菜; Brassica rapa subsp. nipposinica) は, アブラナ科アブラナ属に属する野菜である.本種は, 9世紀より主に京都を中心として栽培が行われてきた京 野菜であるが1, 7),昭和後期での品種改良やサラダ等の 洋菜への利用の拡大から全国的に栽培が増加し,作付面 積は2000年代に1,658 ha (平成18年) から2,530 ha (平 成24年) へと急激に拡大した11, 12).また,生産量の増 加より平成22年からは「指定野菜に準ずる野菜」に選 定されている.伝統的にミズナの利用は鍋物や漬物が主 であったが6),近年ではサラダ・惣菜や袋詰めカット野 菜など,最小限の加工で利用されるケースが多い8, 17). このような利用では,食品衛生学的な安全性を確保する ことは当然であるが,品質を保持し,鮮度保持期間を延 長することも極めて重要である4). 地方野菜であったミズナは,急速に普及したため,他 の主要作物と比較して微生物学的な知見は少ない.食品 衛生学的な観点からのミズナの微生物調査はすでに行わ れており,腸管出血性大腸菌やサルモネラ属菌など食中 毒菌の汚染実態調査が行われているほか8),一般生菌数 や大腸菌群数といった一般的な衛生指標については報告 がある8, 13, 18).しかしながら,鮮度保持につながる腐敗 原因菌に関する具体的な情報は,現時点でわれわれが知 る限りでは見られない.同じ葉物野菜であるレタスやホ ウレンソウでは細菌叢中の腐敗原因菌が特定されること によって,腐敗メカニズムや汚染経路の解明が進んでお り4),ミズナにおいても同様のアプローチが行われるこ とで,効果的な微生物制御法につながる知見が得られる と期待される. 近年,次世代シーケンサーの普及とともにサンプル中 の細菌叢の菌種構成を明らかとする16S rRNAメタゲノ ム解析が確立された.本手法は,これまでの腐敗原因菌 の特定で多く用いられてきた菌株の分離および性状試験 による同定というアプローチと比較して,難培養性細菌 も含めて評価できることや,多くの時間と手間を省略で きるという点で利点がある14).以上より,本調査では, ミズナの貯蔵期間中での細菌叢の挙動を16S rRNAメタ ゲノム解析によって調べることにより,その主となる腐 敗原因菌を特定し,鮮度保持期間の延長ならびに微生物 制御法の開発に資する知見を得ることを目的として行っ た.