これまで行われてきた学業的援助要請に関する研究では、小学生から大学生までの主に教室場面における援助要請が中心に検討されてきた。しかし、学業的援助要請は授業場面で生起するものばかりでなく、教員養成校・保育士養成校における実習の場面で指導者に対して生起する援助要請についても学業的援助要請として捉えることができる。実習中の効果的な援助要請は実習生の保育・教育スキルの向上に結びつくことが予想されるため、その実態について検討を行うことは重要である。しかし、これまで実習中の援助要請に焦点を当て検討した研究はほとんどみられない。そこで、本研究では、実習中の援助要請について、実習における主要な動機づけ要因である保育者効力感と実習中に生起しやすい実習ストレスとの関連から、その実態を解明するための検討を行う。