大学新入生の適応問題に関して、学生が所属課程の学習活動に積極的参加意欲を持てるようにするためには、所属課程の教育目標を、自己にとり有意義な価値を持つものと認知されることが必要である。本研究では、所属課程での学生間交流の魅力を高めるような共有場面を授業で提供することが、課程の学習活動への動機づけや適応感を向上させる可能性を検証する。本研究の目的として、1)分割された少人数クラスにおいて共同で参加型の課題達成作業をすること、およびクラスを統合した全体集団活動を行わせることによる、仲間関係の親密化促進と大学適応感促進の効果を調べる、2)あわせて、それらの共同活動が所属課程の目標にある教員就職意欲促進につながるかどうかを調べる。一連発表における本報告では、授業計画の全体を紹介し、次いで授業効果を測定するために作成された、大学適応感尺度と教員就職意欲尺度の因子構成と信頼性を報告する。