今回報告した程度のものでは,「道徳」の指導過程の核心に迫るには十分でなく,今後に多くの問題を残している。そこで今後の問題点を指摘する。即ち,指導過程の分析は生徒の発言のみではとらえにくく,抽出児の詳細な検討が必要である。短期間の授業のみでなく,長期にわたるものをみなげればならない。データーをとるに際し,十分フィードバックをすることが必要で,この強化が望まれる。かかる研究について選ばれる主題の限界も検討しなければならない。生徒が授業以前に持っている生活体験を明らかにし,かかる背後の道徳教育(生活指導)と「道徳」教育との関連を究明することがなされねばならない。以上のようなことの必要が感ぜられた。