文章基本信息
- 标题:中世鎌倉出土の打ち首,追加1例
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- 作者:平田 和明 ; 森本 岩太郎
- 期刊名称:Anthropological Science
- 印刷版ISSN:0918-7960
- 电子版ISSN:1348-8570
- 出版年度:1992
- 卷号:100
- 期号:3
- 页码:349-358
- 出版社:The Anthropological Society of Nippon
- 摘要:かつてMORIMOTO(1987)が報告した南北朝期における打ち首2例の追加として,1991年に鎌倉市比由ケ浜中世集団墓地から出土した同時代の壮年期男性頭蓋1例を提示する.この頭蓋は第1~4頸椎•舌骨とともに墓地に埋められていた.他の骨格部分はない.頭蓋には6個の刀創が見られる.うち3個は死の直前に受けたもので,前頭鱗右側を左前方から右後方に斜めに走って板間層に達する長さ45mmの刀創(a),右眼窩外側縁の骨をそぎ落とした刀創(b),右頭頂骨を前後方向に走って頭蓋冠表面と接線方向に浅く頭蓋腔に達した刀創(c)であるが,これらは浅く,直接死因ではなさそうである.残りの3個は,後頭骨右下項線をそぎ落とした刀創(d),右下顎枝後縁にほぼ水平に切り込んだ2個の刀創(e, f)である.後頭骨の刀創(d)は打ち首の時か死後のものかは分からないが,右下顎枝の刀創(e, f)は,後述する軸椎の刀創(i, h)とそれぞれ一致する.いっぽう頸椎には右後方から鋭く切り込んだほぼ水平に走る5回分6個の刀創が認められる.上方から順に,環椎の椎弓下縁をかすめて(9),軸椎歯突起の後部に達して止まる刀創(h),軸椎の椎弓上部と右上関節突起後部を切り軸椎体に達して止まる刀創(i),軸椎の棘突起を右後下方から切って椎弓内で止まる刀創(j),第3頸椎の棘突起•右下関節突起•椎弓•椎体を右後下方から切って左椎弓根で止まる刀創(k).第4頸椎の棘突起•右下関節突起•椎体下部を切り離して椎体の左1/4部で止まる刀創(1),である.上述のように環椎の刀創(g)および軸椎の刀創(h)は右下顎枝後縁の刀創(f)と,また軸椎の刀創(j)は右下顎枝後縁の刀創(e)と,それぞれ一致する.舌骨に刀創は見られなかった.打ち首された時の創傷は環椎•軸椎•右下顎枝に残る刀創(g+h+f)か,または軸椎の刀創(i)のいずれかと推測され,これは頸髄•右椎骨動脈を完全に横切し,致命的である.また軸椎•右下顎枝の刀創(j+e)および第3•4頸椎の刀創(k)•(i)は死後頭部を切り離した際に加えられたものと思われる.本例はたぶん手負いの武士が名を重んじ首を打たれたものであろう.江戸時代には「打ち首は頸の前皮一枚残して切るのが常法」と言われたが,古い日本の半切りによる打ち首の伝統の起源が南北朝期までさかのぼり得ることを示す好例として,先の2例とともに本例は注目される.
- 关键词:Decapitation; Cut injury; Cervical vertebrae; Medieval Muromachi period; Japanese tradition