文章基本信息
- 标题:天明3年(1783)の浅間山大爆発による1犠牲者
- 本地全文:下载
- 作者:森本 岩太郎
- 期刊名称:Anthropological Science
- 印刷版ISSN:0918-7960
- 电子版ISSN:1348-8570
- 出版年度:1991
- 卷号:99
- 期号:1
- 页码:63-75
- 出版社:The Anthropological Society of Nippon
- 摘要:日本は火山国であり,世界の活火山の約10%が集中しているという.火山爆発による犠牲者は多いが,その割りに犠牲者自身に関する発見報告は少ない.浅間山(2,542m)は有名な火山で,古来大爆発を繰り返してきた.浅間山の北麓にある群馬県吾妻郡嬬恋村鎌原の旧鎌原宿は天明3年(1783)8月5日の同山大爆発による鎌原火砕流下に埋まり,93軒の民家が全滅した.この大爆発は「天明の浅間焼け」と呼ばれ,東日本における天明の飢謹を加速•増幅したという.鎌原宿では,この爆発により村人597名のうち466名(78%)が死んだ.1976年に鎌原の十日ノ窪で犠牲者の遺骨2個体(成人と小児)が偶然発見されたが,これは調べずに埋葬されたという.鎌原宿の惨状は,1979年の浅間山麓埋没村落総合調査会による発掘調査により初めて実際に明らかにされたが,そのおり犠牲者の遺骨3個体(十日ノ窪で1体•観音堂階段下で2体)が出土した.十日ノ窪の遺骨は保存不良であったが,段階下の遺骨は逃げ切れずに倒れた血縁関係の女性2名と考えられている.著者は1987年の嬬恋村当局による発掘調査により旧鎌原宿の延命寺跡から新たに発見された1個体分の壮年期男性遺骨を現地で調べた.寺で作業中に火砕流に襲われ,あわてて飛び出して倒れたと思われる.浅間山に足を向けて俯臥位をとり,顔面をやや左に回し,左上肢•右下肢を上下に伸ばして,右上肢,左下肢を曲げていた.身体の右後方から火砕流を受けたので,伸びた右下肢は股関節でやや外転していた.また,曲げた右上肢は流れ落ちる石の直撃を受け,上腕•橈•尺骨の3骨体が一緒に完全骨折を起こしていた.この男性は推定身長が約152cm と小さいが,上•下肢骨は頑丈である.頭蓋長幅示数は長頭型に属し,弱い歯槽性突顎が見られる.骨年令の割に大臼歯の咬耗が進んでいる.下顎切歯3本が歯周症のため生前脱落し,それらの歯槽は閉鎖している.齲蝕は見られないが,上•下顎歯とも歯石の付着が著しい.第9~10胸椎と第2~4腰椎に変形性脊椎症があり,左肘関節に慢性関節炎像が認められる.旧鎌原宿出土の天明3年の浅間山大爆発による犠牲者のうち,比較的詳しく調べられたのは,本遺骨が3例目である.
- 关键词:Japanese skeleton; Mt. Asama; Volcanic disaster; Famine of Temmei; Edo period