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  • 标题:歯冠形質に基づくサハリンアイヌの民族史
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  • 作者:埴原 恒彦
  • 期刊名称:Anthropological Science
  • 印刷版ISSN:0918-7960
  • 电子版ISSN:1348-8570
  • 出版年度:1990
  • 卷号:98
  • 期号:4
  • 页码:425-437
  • 出版社:The Anthropological Society of Nippon
  • 摘要:最近の日本人の起源に関する研究から,アイヌは縄文人の直系の子孫で東南アジアの後期更新世人類,すなわちプロトモンゴロイドに由来するとされている.一方,北海道東北部のアイヌ及びサハリンアイヌに関しては北方系モンゴロイド集団の遺伝的寄与を無視することは出来ないことも指摘されている.山口(1974,1981)は近世アイヌの成立に関して,本州の縄文人と類似した道南部の縄文人を中心として道東部の縄文人さらに樺太,千島からの外来要素が加わって成っているとしている.サハリンアイヌの形質人類学的研究は主にソビェト,日本の人類学者によってなされているがその起源に関しては北方系と南方系の説がある.本研究では進化において最も保守性の強い歯冠形質に基づきサハリンアイヌの起源にっいて検討した.歯冠全体の大きさに関しては,サハリンアイヌは非常に小さく縄文人,北海道アイヌ,沖縄島民,あるいはネグリトと類似性を示す.しかし計測的形質の形態因子においてはアリュート,エスキモー,北部中国人,現代日本人といったいわゆる北方系要素を有する集団と共通する特徴を示す.さらに主成分分析によっても同様の結果が得られた.一方,非計測的歯冠形質に基づく分析では彼らは縄文人,北海道アイヌ,ネグリト等南方系集団のクラスターに含まれる.以上の結果はサハリンアイヌがその形質において北方系と南方系の両要素を有するという従来の研究結果を支持するものである.しかし非計測的歯冠形質の進化における保守性,計測的形質の遺伝的特徴(詳しくは本文参照)を考慮するとサハリンアイヌが北方系民族の遺伝的寄与はあるもののその起源は北海道アイヌ,縄文人等と同様に後期更新世に現在の中国南部,あるいは東南アジアで進化してきたプロトモンゴロイドに求められる可能性が強いと考えられる.今回得られた結果はサハリンアイヌの起源に関する一考察に過ぎず,今後さらに北方系の形質が重要視されているオホーツク文化期のアイヌを中心に時代的,地理的にアイヌの系統を再考して行かなければ結論は出せないように思われる.本研究が旧石器時代の東アジアを起点とする先史モンゴロイド集団の拡散と分化に関する研究の一助となれば幸いである.
  • 关键词:Sakhalin Ainu; Neo-Mongoloid; Proto-Mongoloid; Population history; Distance analysis
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