文章基本信息
- 标题:江戸時代人における乳歯のエナメル質減形成
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- 作者:山本 美代子
- 期刊名称:Anthropological Science
- 印刷版ISSN:0918-7960
- 电子版ISSN:1348-8570
- 出版年度:1989
- 卷号:97
- 期号:4
- 页码:475-482
- 出版社:The Anthropological Society of Nippon
- 摘要:乳歯のエナメル質減形成は,母体の疾患,出産時の異常,および生後1年以内における栄養欠乏や全身性疾患などの障害によって引き起こされるもので,個体の健康•栄養状態や所属集団のストレスを示す指標として有用と思われる.江戸時代前~中期(17世紀)に属する東京都一橋高校遺跡出土未成人頭蓋62個の乳歯について,エナメル質減形成の出現頻度の観察およびその発生時期の推定を行った.その結果,エナメル質減形成の出現頻度には歯種差が認められ,上顎乳中切歯に最も高頻度に出現していた.また BLAKEY and ARMELAGOS(1985)の基準に従った個体別の出現頻度,42個体中7個体(16.7%)であった.発生時期としては出生後が多く,出生前や周産期の発生は少なかった.これらのエナメル質減形成の原因としては,当時の栄養欠乏,非衛生的な住居と水,人口過密,および流行病などが考えられる.一橋集団におけるエナメル質減形成の存在から,江戸時代の人びとを取り巻く生活環境がかなり過酷であったことが示唆された.なおエナメル質減形成と cribra orbitalia の関係を検討したところ,両者はストレス要因に対して異なった感受性を持っていることが推測された.
- 关键词:Enamel hypoplasia; Indicator of stress; Deciduous teeth; Edo Japanese; Paleopathology