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文章基本信息

  • 标题:半規管座標系による日本人頭蓋の形態解析
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  • 作者:諏訪 元
  • 期刊名称:Anthropological Science
  • 印刷版ISSN:0918-7960
  • 电子版ISSN:1348-8570
  • 出版年度:1981
  • 卷号:89
  • 期号:3
  • 页码:329-350
  • 出版社:The Anthropological Society of Nippon
  • 摘要:人類頭蓋を頭位(head posture)に関連のある基準面を用いて解析することは人類進化を考えるうえで興味深いことである。従来,このような目的の研究では耳眼水平面が最も頻繁に使用されてきた。しかしながら,一方では理論面実践面の双方から批判が提起されている(SUWA,1980;SUWA,1981)。本研究では基準面として三半規管の外側半規管のなす面(半規管面)を用いた。この半規管面は主としてその生理学的意義から使用が推奨されているものである(FENART,1966)。本研究の目的はこの半規管面を水平面とする半規管座標系を用いて日本人頭蓋を集団内集団間の両レベルにおいて解析することである。なお,この研究は筆者による前研究〓人類頭蓋学における半規管座標系の基本的性質″の継続研究であり,同一原データを解析したものである。使用標本は現代日本人頭蓋骨63個(男40,女23)であり,年令は20~44才に限定した。半規管座標系は原点を vestibion (外側半規管の中心を矢状面に投影した点)とし,半規管面と正中矢状面とで定義される。この半規管座標系に36個の計測点を組み込み,直交座標系(X,Y,Z)における座標値を原データとした。また,直交座標(X,Y)を矢状面上で極座標(R,T)に変換し,極座標系(R,T,Z)を得た。計測方法および計測点の定義はすでに詳しく述べてある(SUWA,1981)。〔主成分分析〕集団内変異を総括する目的で主成分分析を行った。各計測点の座標値は頭蓋各部位の形態に関する情報と各部位の位置関係に関する情報とを持ち合わせている。従って,主成分分析によって形態と位置関係の関連性を見出だすことができる。なお,主成分分析は直交座標系(X,Y,Z)と極座標系(R,T,Z)との双方で分析を行った。両座標系のデータには同一の情報が含まれているため,両分析からは同一の結果を得ることが期待された。実際に双方の分析を比較すると,それぞれの分析の第1~第10主成分は一対一に良く対応する。しかしながら,第11主成分以後は複雑な様相を呈した(Table 1)。また,しばしば行われるvarimax 回転は本研究では最終的には行わなかった. Varimax回転によって得られる因子は回転する主成分の数によって微妙に変化し(Table 2),即ち因子の解釈は人為的なものとなる。以上の理由から主成分分析の解釈は回転前の主成分の内,第1~第10主成分に限定した。結果は以下の通りである。第1主成分,顔面の方位;第2主成分,上顔部の突出;第3主成分,後頭部の後下方への突出;第4主成分,脳頭蓋幅;第5主成分,鼻幅;第6主成分,顔面後部の幅;第7主成分,眼窩間幅;第8主成分,後頭顆の平行性;第9主成分, euyion, asterion の位置:第10主成分, gonion の位置。〔性差〕直交座標系,極座標系の双方で検定を行った(Table 3)。性差は主として大きさの違いと解釈できる(Fig.1参照)。この状況を極座標系の分析が良く表している。R座標(原点からの距離)ではほとんどすべての計測点において1%レベルで有意差が存在したが,T座標(偏角)では5%レベルで有意差のある計測点は存在しなかった。〔他集団との比較〕1)日本人頭蓋とヨーロッパ白人頭蓋との比較 双方の平均図を重ね合わせることによっておおよその比較ができる(Fig.2)。顔面部の位置および方位は著しく異なるが後頭部はほとんど一致する。日本人頭蓋では顔面頭蓋全体が後頭部および半規管面に対してより前上方を向いているためである。この結論は統計学上でも確認された(Table 4)。なお,日本人と欧米白人とでは自然頭位(natural head position)に対する顔面部の方位が異なることが筆者によってすでに指摘されている(SUWA,1980)。この報告は本研究で得た結果と良く一致する。これは半規管面と自然頭位との間に集団レベルで関連性が存在することを示唆している。2)後頭部の安定性 前述のごとく日本人頭蓋とヨーロッパ白人頭蓋の後頭部はほとんど一致した。この集団間における後頭部の安定性をより広範囲にわたる比較で調べた。方法としては,顔面頭蓋,脳頭蓋に合計10本の基準線を設け(Fig.3),各集団のこれらの基準線と半規管面のなす角度の平均値から集団間分散を計算した(Table 5)。その結果,大後頭孔の傾きが半規管面に対して最も安定していることが確認された。FENART(1966)およびTERK and FENART(1976)はラットを使用した実験で半規管面に対する後頭部の方位は頭蓋と脊柱および頸部との位置関係を直接反映していることを示した。同様の論法をもって本研究の結果を解釈すると,頭蓋と脊柱および頸部との位置関係に関する集団間における変異は相対的に小さいと結論できる。
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