摘要:霊長類骨格筋の機能的特徴を検討するためにカニクイザル成獣10頭(_??_:6, _??_ :4)の右側僧帽筋について頭側部,中間部,尾側部の3部位における白筋線維と赤筋線維の比率の算出,および筋線維の太さの計測を行った。筋線維の分別はSudan Black B染色によった。その結果,筋線維の太さは一般に,白筋線維が赤筋線維よりも,雄の方が雌よりも,また,尾側部は雌雄とも他の部位よりも,それぞれ大であった。さらに,体重の増大に伴って大きな筋線維が出現する傾向が認められ,この傾向は白筋線維に著明であった。また,筋重量との間には順相関の傾向が認められた。以上の筋線維構成上の特徴はサルの運動性の特徴と一致するように思われた。