文章基本信息
- 标题:マカク属サルの血液蛋白変異に関する研究
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- 作者:石本 剛一
- 期刊名称:Anthropological Science
- 印刷版ISSN:0918-7960
- 电子版ISSN:1348-8570
- 出版年度:1973
- 卷号:81
- 期号:1
- 页码:1-13
- 出版社:The Anthropological Society of Nippon
- 摘要:本論文は前篇で観察されたさまざまなマカク集団の血液蛋白変異を総括的に考察したものである。マカク全体としてヒトに類似する血液蛋白の多型性比率がみられたが集団間で変異性の程度が著しく異なることが特徴的であった.マカク血液蛋白変異はその表現型分布から数種に分類しうるが大別すると次の2群になる.第一はTf,Hb,PGDなどのように大陸産マカクに多様な変異型を認めるに対して,島喚性サル集団では一般に単一表現型を示すような形質,第二はPHI,Diaのようにマカク属のそれぞれの種に特異的な遺伝子をもち,しかも特有な遺伝子分布を示す形質である。第一群は地理的隔離と淘汰が表現型分布に影響を与えた可能性もあるが第二群はおそらく淘汰に関係ない突然変異と遺伝的浮動の結果と推論された。とくにニホンザルで変異遺伝子分布が群れ間で著しい相違のあることを見出したが,この事実はマカクの生態的隔離が,同一種内においても群れの遺伝的構成に著しい相違をもたらすことを示すもので遺伝的浮動の影響が大きいと見なされた。さらに遺伝子置換距離を指標としてマカク集団間の系統関係を推測する試みがなされている。