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  • 标题:切歯におけるシャベル形態の数量的分析
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  • 作者:埴原 和郎 ; 田中 武史 ; 玉田 瑞穂
  • 期刊名称:Anthropological Science
  • 印刷版ISSN:0918-7960
  • 电子版ISSN:1348-8570
  • 出版年度:1970
  • 卷号:78
  • 期号:2
  • 页码:90-98
  • 出版社:The Anthropological Society of Nippon
  • 摘要:切歯のシャベル形態は HRDLICKA(1920)によってはじあて報告されて以来,さまざまな観点から,きわめて多くの研究が行なわれてきた.しかし従来は,ほとんどすべての場合シャベル形態の発達の程度を肉眼観察によって分類していたため,観察者の主観が入りやすく,多くの成績を直接比較することは危険であった.またこの形質は本来連続形質であると考えられるが,それをいくつかの階級に分類し,非連続形質のようにとりあつかったことにも問題があった.このような点から,われわれはシャベル形態の数量的表現法を検討し,基礎的資料をえたので,その大要を報告する.この研究に使用した計測器は,ダイヤルゲージに2本の開閉脚をつけたもので,精度は1/100mmである.計測は,まず開閉脚の幅を切歯の近心ならびに遠心辺縁隆線の幅に合わせる.ついで中心脚を舌側面中央にふれさせ,静かにおしながら開閉脚の先端を辺縁隆線に接触させる.このとき,中心脚を中心として開閉脚をわずかに回転させ,もつとも大きい数値をよむ.この計測によって,両辺縁隆線の間にはった弦から,舌側面中心点までの最大の深さを計測することができる(図1,2).つまりこの方法は,舌側面の深さによってシャベル形態の発達の程度を代表させようとするものである.われわれはこの計測法の信頼性を検討するため,日本人,白人,American Negro および American Indian(Pima Indian)の上顎中切歯における計測値を比較し,また同時に,双生児によって遺伝性の検討を行なった.結果は次の通りである.1.この計測値の分布はほとんど完全な正規分布である(図3,4).2.従来の肉眼的分類から推測されるように,各人種の平均値の間には有意の差が認められ,また日本人やAm.Indian のようなモーコ系人種では大きく,他の人種では小さい(表2,3).3.各人種とも性差は認められず,両性を合算してとりあつかうことができる(表4).4.計測値を0~0.49mm(Class 1),0.5~0.99mm(Class 2),および1.00mm以上(Class 3)の3階級にわけて各階級に属する個体の頻度を計算し,これと肉眼観察によってすでに報告されている頻度とを比較すると,両者の間には相当に高い一致性がみられる(表5).この場合,肉眼観察による分類の no-shovel を Class 1に, trace および moderate shovel(または semi-shovel)を Class 2に,さらに markedshovel を Class 3に対応させると,一致度はもつとも高くなる.したがって,計測と肉眼観察との間には,強い平行性があるといえる.5.双生児によってこの計測値の遺伝性をしらべると,対間の相関係数は一卵性双生児においてもつとも高く,二卵性双生児,一般同胞の順に低くなる(表6).また双生児の相関係数から HOLZINGER の遺伝的寄与率を計算すると0.66となる.これらの結果は,この計測値が強い遺伝子支配をうけていることを示すものである.以上のことから,この計測値はシャベル形態の発達度に関する有効な示標となることが推測されるが,主な利点は次の通りである.1)比較的簡単な計測器で容易に計測できる.2)本来連続的変異を示すシャベル形態を連続形質としてとりあつかえるという点は,理論的にきわあて重要である.3)従来の肉眼観察による結果と比較することが可能である.4)計測によってシャベル形態の分類を客観化するため,分類の信頼性を高める.以上のように,この論文で紹介したシャベル形態の計測は,今後のより正確な研究に役立つものと考えられる.
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