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  • 标题:霊長類における赤血球 Phosphohexose isomerase の変異
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  • 作者:石本 剛一
  • 期刊名称:Anthropological Science
  • 印刷版ISSN:0918-7960
  • 电子版ISSN:1348-8570
  • 出版年度:1970
  • 卷号:78
  • 期号:4
  • 页码:334-338
  • 出版社:The Anthropological Society of Nippon
  • 摘要:ヒト赤血球中の酵素 phosphohexose isomerase(PHI)に電気泳動で識別される遺伝変異の存在することが報告されている.DETTER ら(1968)はさまざまな人種集団からなる3000例をこえる血液試料を調査して PHI1型と名づけた通常の酵素型の他に1%以下の低い頻度であるが計10種の変異型を観察し,その出現は家族調査から常染色体上にある遺伝子座位の対立遺伝子による単純な遺伝を示すことを認めた.著者は数種霊長類からなる計438例の血液試料を調べてそれらの赤血球 PHI がヒトと異なる特有な表現型を示すとともにマカカ属サルにおいて興味ある PHI 多型が存在することを見出した.即ち互いに容易に識別される PHI 泳動パターンが各1例のチンパンジー,ラングールおよび34例のテナガザル,23例のルトンに観察され,後者に種内変異が認められなかったが6種マカカからなる378例の試料では PHI 泳動パターンに個体差が存在することが見出され8種類の異なる表現型が区別された.ヒトのPHI変異から類推してマカカのPHIの個体差は単純な遺伝を示す多型形質と考えられ各表現型は図1および表1に示す如く仮に PHI(mac)1-1,2-1.3-1,…と名づけられた.1例のクロザルは PHI(mac)1-1 型であった.推定される PHI ヘテロ表現型に3本の主成分が生ずることはマカカの同酵素もヒトと同様2量体の構造をとると考えられる.マカカの PHI 変異型の出現は10%以上の頻度を占めヒトの場合と比較して著しく変異に富むとともに,今迄調査された多くの遺伝形質において大陸産のマカカがより変異的で島国のマカカは一般に変異に乏しい傾向が見られていたが PHI 多型は,ニホンザル,フィリピンのカニクイザル,タイワンザルなどにより変異型が存在するような結果をえた.今後さらに例数を増して調査する必要があるが,マカカのPHI 多型において血清トランスフェリン多型などと全く異なる何らかの作用が働いていることが推定され同酵素多型の生物学的意義の解明が待たれる.さらにニホンザルにおいても PHI 変異型がかなりの頻度で見出されたことは同種の群集団の遺伝的構成の比較研究にPHI形質の調査が有効であろうことを示唆している.
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