文章基本信息
- 标题:日本人手掌に見られる枡掛條に關する小報告
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- 作者:小片 保
- 期刊名称:Anthropological Science
- 印刷版ISSN:0918-7960
- 电子版ISSN:1348-8570
- 出版年度:1961
- 卷号:69
- 期号:1
- 页码:21-26
- 出版社:The Anthropological Society of Nippon
- 摘要:1949年に E.Fischer 教授が手掌に生ずる枡掛條(Vierfinger-又は Affenfurche)の出現頻度について諸學者の研究を收録している。その中で、中國及び日本の佛像にこの條が見られるので、東アジア人には中部ヨーロッパ人より多く出現するのではないかと言っている。そこで著者等は先年山陰地方人若年の10,000手につき調査した處、男性9.74%、女性7.38%の出現を見たるにより、完全なる枡掛條(完全型)は日本人に可成り高頻度に見られる事を知った。その後、著者の教室員平野哲司が日本各地方に於ける牡年者男性5226,女性2618手につき完全型の出現を見たる處、男性に10.35%、女性に5.61%生じている事が解り、矢張り高頻度に於て認められる事を知った。この値は日本人枡掛條出現の代表的値として擧げる事が出來よう。この樣に中部ヨーロッパ人より可成り多いが、中華民國人より少しく少ない樣に思われるし、ギリヤーク及びオロッコよりは多いと考えられる。次に日本人の中での地方差を見ると、各型式の出現頻度は男性に於てのみ5ケ處の組合せに於て有意の差が見られたが、女性にてはその差が小で、有意なるものは見出されなかった。不完全型は男性より女性の方が可成り多く見られる。又、年令によっても差が見られる。これ等は手掌皮膚の柔軟性に差異がある爲に生ずるのであろう。併し、完全型は年令によってはその差が少ない。故に種族差の一つとして論じ得る形質と見る事が出來よう。日本人の中でも山形縣飛鳥の如き離島に於ては極めて高頻度に完全型の出現の見られる事もある。智能犯で比較的重刑者には、同地方の常人に比して可成り高頻度に完全型の出現を見る。