文章基本信息
- 标题:日本人大腿骨のいわゆる蹲踞数について
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- 作者:森本 岩太郎
- 期刊名称:Anthropological Science
- 印刷版ISSN:0918-7960
- 电子版ISSN:1348-8570
- 出版年度:1969
- 卷号:77
- 期号:2
- 页码:31-36
- 出版社:The Anthropological Society of Nippon
- 摘要:大腿骨下端の関節面最大深を, 顆間線上において計測した顆間窩深で割つた商がMARTIN (1932) のいわゆる蹲踞数である。彼によれば蹲踞の習俗をもつものは蹲踞数が小さく, これは習慣的に膝関節を極度に屈曲するために顆間窩が顆間線の部分で後十字靱帯により圧迫されて深くなるためであるという。著者は現代日本人大腿骨378例の計測から, その大多数 (83.6%) が蹲踞数3.0~3.5を示し, その蹲踞数の平均値3.23は従来報告されたパンジャブ人 (2.90) ・インド人 (3.10) とカナダ人 (3.43) ・アイルランド人 (3.44) との中間にあることを知つた。SIDDIQI (1934) によれば蹲踞の習俗をもつものは蹲踞数3.3以下, もたないものは3.3以上を示す傾向があるというが, 日本人とカナダ人・アイルランド人との間には蹲踞数の分布にかなりの重なりがみられるので, 日本人大腿骨と彼らのそれとを蹲踞数によつて区別することはできない。日本人でみると, 女性 (3.09) は男性 (3.30) より蹲踞数が小さいが, これは顆間窩深の性差によるというよりも, むしろ関節面の最大深が女性は男性より小さいことに起因する。したがって大腿骨のいわゆる蹲踞数を論ずる場合には, まず資料の性別に留意しなければならない。なお, SHAH (1942) の蹲踞指数 (上述の顆間窩深を関節面最大深で割つて100倍した値) は日本人大腿骨では平均31.0 (男性30.3・女性32.5) であり, パンジャブ人 (34.2) より小さい。