児童の道徳的判断に影響を与えている諸要因には様々なものがあるが,本研究では意図と結果の情報提示順序が及ぼす効果を取り上げた。 結果は,全般的には提示順序の効果は見られなかったが,被験者の意図の認知水準により,その効果が異なっている可能性のあることを示唆した。また,道徳的判断の数量的な指標の試みとしてのキャンディ分配は,年長児において妥当性のあること,およびその分配様式はPiaget (1932)の正義感の発達段階とほぼ対応することが指摘された。