本研究の目的は,看護職の継承過程に及ぼす親の影響因を明らかにすることにある。 いずれも母親が看護職に就いている看護学生(継承群)112名,女子学生(非継承群)224名を分析の対象とした。主な結果はつぎの通りである。 (1)母親の継承期待は,娘の看護職継承行動および潜在的継承希望に共通して効果をもっている。 (2)娘による母親への同一視は,看護職希求度にのみ影響を与えている。 (3)母親が看護職を一貫して継続するタイプでは,娘の継承性が高い。