本研究は,幼児の象徴遊びに及ぼす玩具特性の具体性の高低の効果と,象徴遊びの発達差について検討した。被検者は5歳児28名と,4歳児28名であった。方法は家族人形セットを用いて,被検者内比較法で行った。VTRで録音録画された幼児の遊び活動内容は6つのカテゴリーで分析された。その結果,具体性の高い玩具においては象徴遊びが増加する傾向がみられ,構成的遊びは有意に減少した。具体性の低い玩具においては逆に,構成的遊びが多発し,象徴遊びは減少する傾向を示した。発達差については,フィクション的象徴遊びが5歳児で減少する傾向がみられた。