子供の人格適応の問題を,親子間の知覚のズレの面から検討した。ズレ得点は,P-Fスタディの指標とは,いずれも無相関であった。また(D)群のズレ得点は,他群に比べ有意に低かった。また心理治療過程ではこのような母子間のズレ得点は変化することが示された。これらの結果から,このような形で求めたズレ得点が,児童の人格適応の指標には,直接の意味をもたない。しかし無視できないことも,事例研究から明らかにされた。